ある人は”彼はマイケルジョーダンの姿をした神”だと表現し、並外れた身体能力が生み出す彼の滞空時間の長さから”Air(エア)”の異名を持つ等、世界最高峰のアメリカプロバスケットボールリーグであるNBA(ナショナルバスケットボールアソシエーション)史上、最も愛されているリビングレジェンド「Michael Jordan(マイケルジョーダン)」氏。
「Air Jordan(エアジョーダン)」シリーズの初代である「Air Jordan 1(エアジョーダン1)」のリリースから2015年に迎えた生誕30th Anniversary(30周年)を経て、シグネチャーモデルとしてだけでは無く「Jordan Brand(ジョーダンブランド)」として不動の地位を確立しています。そんな益々の盛り上がりを魅せる歴代「Air Jordan」シリーズの中でも圧倒的な人気を誇る「Air Jordan 11(エアジョーダン11)」のオリジナルカラーを象徴する通称”Bred(ブレッド)”が7年振りに待望の復刻を果たします。
「Michael Jordan」氏のMLB(メジャーリーグベースボール)挑戦からNBAへ復帰を果たし、盟友「Scottie Pippen(スコッティピッペン)」氏を始め、トレードで獲得した「Dennis Rodman(デニスロッドマン)」氏を加える事でChicago Bulls(シカゴブルズ)第二次黄金期への第一歩を踏み出した1995/1996シーズンの終盤に急遽発表された「Air Jordan 11」。
NBA All Star Game(NBAオールスターゲーム)をニューモデルの発表場とする事が主流であった当時、1995年5月7日に行われたOrlando Magic(オーランドマジック)とのNBA Playoffs(NBAプレイオフ)で本人が着用すると言う異例の形で発表され大きな話題を集めました。また「ホワイト」を基調としたファーストカラーの通称”Concord(コンコルド)”は「ブラック」をベースとしたシューズで統一していたチーム内に於いて”チーム内の選手は全員同じ色のシューズを履かなくては成らない”と言うNBAの規定に反していた事から、リーグの罰金対象となった逸話は今も色褪せる事無く語り継がれています。
“フォーマルシューズの様なシンプルなシューズを”と言う「Michael Jordan」氏のリクエストに旧知の仲であるシューズデザイナー「Tinker Hatfield(ティンカーハットフィールド)」氏がデザインと機能の両方を満たす為に導き出した答えは「パテントレザー」と「バリスティックナイロン」を「アッパー」に併用する事でした。また前作より「前足部」の「Air」範囲を拡大し「衝撃吸収性」の向上を実現した「Full Length Air(フルレングスエア)」や「軽量性」と「安定性」を兼ね備えた「カーボンシャンク」そして「グリップ性」に優れた「トレッドパターン」を使用した「クリアソール」を採用する等「デザイン性」と「機能性」の両面で高い評価を受けた名作。
また”Bred”の他にも、2011年に復刻した際にアメリカの販売店舗で購入希望者が殺到し暴動にまで発展したオリジナルカラーの”Concord”や、1996年に公開された映画Space Jam(スペースジャム)に「Michael Jordan」氏が主演した際に登場し、プレイヤーズエディションとして実際にコートでも着用した通称”Space Jam”等、歴史的カラーウェイが数多く存在。
2001年や2012年にも復刻を果たした「Michael Jordan」氏のヒストリーを語る上で欠かす事の出来ないオリジナルカラーである”Bred”を採用した今作のリイシューモデルは、1996年にリリースされたオリジナルディテールをこれまでよりも可能な限り忠実に再現。左足の「Jumpman Logo(ジャンプマンロゴ)」は2012年の復刻時は正式な向きに合わせて修正が加えられていましたが今回はオリジナル同様に反転デザインを採用。
また「パテントレザー」のエッジ部分には敢えてカラーを入れずオリジナル当時の風合いを醸し出し「アウトソール」の「シャンクプレート」のカラーリングも「シルバー/ブラック」から「ホワイト/ブラック」へと戻しながら、差し色となる「レッド」の色味も2012年の復刻で使用していた「Vasity Red(バーシティレッド)」からオリジナル仕様の「True Red(トゥルーレッド)」にボックス表記も変更。
更に「インソール」にも「Jumpman Logo」では無く「Nike Air(ナイキエア)」の「ロゴマーク」を回帰させつつ、オリジナル当時のシューズボックスを再現する等、当時を懐かしむスニーカーファンから昨今のスニーカーヘッズまで幅広くフィットするモデルになっています。
誕生から記念すべき30th Anniversaryを越えて、常に歩みを止めず常に新たな進化を魅せる「Jordan Brand」。そんなシグネチャーモデルアイコンのフィロソフィを受け継ぎ、名作の存在意義を再提案する今作を足元から体感して見ては如何でしょうか。